意識高い系中島diary

都内在住。意識高い系大学生の見聞録。Twitter ID @Nakajima_IT_bot

いまさらだけど2017年に読んだオススメの本を10冊紹介します。

 

もう2月になってしまいましたが、2017年に読んだオススメの本を10冊紹介しようと思います。

小説から科学に関する本まで幅広く紹介するので気になった方はぜひ読んでみてください。

 

1. 不可能、不確定、不完全

本書は数学の世界における三大”できない”アローの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理をテーマとして、人間の知性の限界や、”できない”ことを証明する難しさ、”できない”ことがわかったことにより生まれたイノヴェーションなどを紹介しています。

 

数学の知識があれば読みやすいが、ない人でも数式が少ないためついていけると思います。

 

数学の奥深さに触れるのにオススメの一冊です。

 

不可能、不確定、不完全: 「できない」を証明する数学の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫―数理を愉しむシリーズ)

不可能、不確定、不完全: 「できない」を証明する数学の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫―数理を愉しむシリーズ)

  • 作者: ジェイムズ・D.スタイン,James D. Stein,熊谷玲美,田沢恭子,松井信彦
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/11/09
  • メディア: 文庫
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2. 車輪の下

文豪ヘッセの自伝的代表作。とある小さな田舎町で育った神童ハンスはその才能を買われ、町一丸となって彼の勉学を支え、都会の名門神学校に優秀な成績で合格します。

王道のエリート街道を行くハンスでしたが、小さな時に好きだった釣りも、田舎での自由な暮らしも取り上げられ、自分の人生に疑問をもつようになります。

やがて規則で縛られた神学校の生活に耐えることができなくなったハンスは、終わることのない頭痛と無気力に悩まされ、彼の人生は大きく変わってしまうことに。

 

いわゆる優等生だった少年が大人たちに疑問を抱く過程がリアルで、胸を締め付けられました。自分の人生は自分のものだと気がつかされました。

 

車輪の下 (新潮文庫)

車輪の下 (新潮文庫)

 

 

 

3. デミアン

ラテン語学校に通う裕福な家庭で暮らす優等生シンクレールは、不良少年にいじめられまいとしてついた1つの嘘によって不幸な事件に巻き込まれてしまう。その窮地に突然現れ、彼を救ったのがデミアンだった。優しい両親と暮らす明の世界に生きるシンクレールとは対照的に、デミアンは暗の世界に生きる少年だった。暗の世界に密かな憧れを抱いていたシンクレールはデミアンに惹かれていく。明暗の世界を行き来するシンクレールが見つけた、この世の真理とは...

 

ラテン語学校、優等生、自分と反対の世界に生きる少年の登場。車輪の下と同様とてもヘッセらしい世界観です。

 

 作中の

鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。 卵は世界だ。 生まれようと欲するものは、 一つの世界を破壊しなければならない。

という一節は東京喰種に引用されていたので知ってる人もいるかもしれません。

 

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車輪の下と同じ高橋健二さんの訳が素晴らしいです。心をうつ文章が多くあるので、ぜひ読んでみてください。

 

 

デミアン (新潮文庫)

デミアン (新潮文庫)

 

 

 

4. 生物と無生物のあいだ

ベストセラーにもなった一冊です。著者の福岡伸一さんは著名な生物学者でありながら、非常に文才のある方で、多くのエッセイも書かれています。

この生物と無生物のあいだは”生命とは何か”という生命科学最大の難問に対する分子生物学の知見をわかりやすく解説してくれています。

この問いに立ち向かった歴代の生物学者のエピソードには胸を打たれました。

この本のテーマは”動的平衡”です。この本を読めば生命とは動的平衡にある流れだ、というのがよくわかると思います。

 

 

僕が特に好きな一節が以下の箇所です。

夏休み。海辺の砂浜を歩くと足元に無数の、生物と無生物が散在していることを知る。美しいすじが幾重にも走る断面をもった赤い小石。私はそれを手にとってしばらく眺めた後、砂地に落とす。ふと気がつくと、その隣には、小石とほとんど同じ色使いの小さな貝殻がある、そこには既に生命は失われているけれど、私たちは確実にそれが生命の営みによってもたらされたものであることを見る。小さな貝殻に、小石とは決定的に違う一体何を私たちは見ているというのであろうか。

福岡さんの文才と生物への深い洞察が溢れた印象的な文章でした。

この本を読めば生物の理解が深まるとともにこれからの人生の考え方も変わるはずです。

 

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

 

 

 

5. 利己的な遺伝子

事実は小説よりも奇なり。そんな言葉がとてもマッチする一冊です。

”なぜ世界から争いがなくならないのか”、”なぜ男は浮気をするのか”、”なぜ人は他人に優しくするのか”など、人間の性を遺伝子の観点から解き明かし、全く予想だにしなかった結論を提示してくれます。

 

この本の主たるテーマは”自己複製”です。著者ドーキンスの”利己的遺伝子説”とは”遺伝子が個体よりも優先される”というもので、全ての生物は遺伝子を複製し広めるために行動するよう組み込まれていると説きます。この本ではその行動原理に基づいて様々な生物の一見奇妙な行動の真相を解き明かしていきます。

 

かなり分厚い本ですが、読み切れば生物の考え方が変わること間違いなしです。

 

利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

  • 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2006/05/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 27人 クリック: 430回
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6. あすなろ物語

天城山麓の小さな村で生まれ育った少年鮎太の物語。

鮎太が大人になるまでの過程を、六人の女性との交流とともに描いています。井上靖の代表作です。

この本のテーマは題にある通り”あすなろ”です。あすなろはヒノキ科の常緑樹です。あすなろは基本的にヒノキより背が低く、”明日こそはヒノキのようになろう”という意志を持っているとされていて、”あすなろ”と呼ばれるようになった説があり、転じて”明日に希望を持つ若者”を意味する言葉として用いられます。

鮎太もそんなあすなろの1人で、色々な人との交流、激しい戦争をへて自分は何者かを見つめる彼の姿に思わず涙しました。

文章はとても読みやすく、センター試験に出てきそうな小説です。ページも多くないのですぐに読み終わると思います。

 

あすなろ物語 (新潮文庫)

あすなろ物語 (新潮文庫)

 

 

 

7. 非属の才能

出る杭は打たれ、才能ある人間が生きづらい国日本。そんな息苦しい国で自分を見失わずに好きなようにいき、素晴らしい人生を送っている人たちを紹介しています。

エジソン、ダーウィン、水木しげる、爆笑問題の太田光にさかなクンなどなど。彼らは自分の好奇心の向くままに行動し、成功を手に入れました。たとえ周りの人にわかってもらえなくとも、自分が信じるままに進めばいい。だってあなたには”非属の才能”があるのだから。

とても勇気付けられた一冊でした。

 

非属の才能 (光文社新書)

非属の才能 (光文社新書)

 

 

 

 

8. 暗号解読

古代ギリシャから現代まで、人々は秘密を守るために暗号を使ってきました。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話。暗号の作成、解読に挑んだ天才科学者のエピソードとともに、カエサル暗号から最新の量子暗号に到るまでの感動の暗号史が綴られています。

著者のサイモンシンはフェルマーの最終定理という本で有名になった方です。

 

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

 

 

そちらも非常にわかりやすく、天才たちのドラマに知的興奮が止まりませんでした。

難しい数式はないので、理系でない方でもわかりやすいと思います。

 

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

 

 

 

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

 

 

 

 

9. ポストヒューマン誕生

大学の授業で絶対に読んでおけと言われた一冊です。

2045年......
コンピュータの計算能力が全人類の知能を超えた瞬間、
「特異点」を迎えた人間文明は指数級数的な進化の過程に入る。
人間の脳はリバースエンジニアリングによる解析が終了し、
生物としての人間を超える強いAIが誕生する。
遺伝子工学、ナノテクノロジー、ロボット工学の進化により、
人体は拡張され、ナノボットが体内を駆けめぐり、
われわれは不死の体=身体ver.2.0を手に入れる......。

一見なんのことか分かりませんが、2045年、我々は技術的特異点”シンギュラリティ”を迎え、人類は新たな進化を迎えると著者レイ・カーツワイルは主張します。

さらにレイは、”2045年にはもはや通貨は存在せず、服もいらなくなり、住居という存在も必要なくなる。また食べるという行為も必要なくなる。強いコンピュータにより、科学の謎を全てコンピュータが解き明かし、我々は宇宙の全てを知ることになる。やがて人類の脳は一つになりもはや生物という存在を超え、宇宙と一体化する..."という大胆な予想をしています。

この本を読めば、一見何言ってんだこのおっさん頭大丈夫かと思うような予想が、本当に起こりうるもので、近い将来そんな未来がやってくることが分かります。

僕は一度、レイ・カーツワイルと一緒に研究をされている方の講演会を聞きに行ったことがあったのですが、人生が変わる瞬間とはまさにこのことでした。本当に近い将来、シンギュラリティにおいてありえないくらいの変革が起こるとそう思いました。そんな特異点に立ち会える私たちは恵まれています。

ここまで書くと僕がやばい宗教に引っかかってるんじゃないかと思うかもしれませんが、百聞は一見にしかずです。ぜひ読んでシンギュラリティに備えてください。

 

 

ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき

ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき

  • 作者: レイ・カーツワイル,井上健,小野木明恵,野中香方子,福田実
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2007/01/25
  • メディア: 単行本
  • 購入: 11人 クリック: 117回
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10. 銀河鉄道の夜

最後は誰もが知っている宮沢賢治の名作です。何を今更と思うかもしれませんが、皆さんのほとんどは幼少期に教育テレビや紙芝居、絵本で聞いたことがあるだけで、実際に小説で読んだことがある方は非常に少ないのではないかと思います。

それもそのはずで、宮沢賢治の文体はとても特徴的で、小さい子はとても読めません。賢治は躁鬱病だったという説もあり、その症状によって見えた幻覚が小説の世界観に現れているとする見方もあります。この銀河鉄道の夜も、まだSF小説すら存在しなかった大正時代に”宇宙を列車が走る”という突拍子も無いイマジネーションを、岩手の田舎に住む若者がしたのですからあながち間違いでは無いかもしれません。

 

ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云う声がしたと思うといきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊の火を一ぺんに化石させて、そら中に沈めたという工合、 またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、わざと獲れないふりをして、かくして置いた金剛石を、誰かがいきなりひっくりかえして、ばら撒いたという風に、眼の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは、思わず何べんも眼を擦ってしまいました。

 

 このような幻想的な比喩が多く用いられています。

 

特に終盤のカムパネルラとジョバンニのこの会話に涙しました。

「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸さいわいのためならば僕のからだなんか百ぺん灼やいてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」

カムパネルラの眼にはきれいな涙なみだがうかんでいました。
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」

ジョバンニが云いました。
「僕わからない。」

カムパネルラがぼんやり云いました。
「僕たちしっかりやろうねえ。」

ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧わくようにふうと息をしながら云いました。

 

改めて読んでみると昔は気がつかなかった発見がたくさんあったのでぜひ読んでみてください。

 

 

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

 

 

 

 

2017年に読んだオススメの本10冊を紹介しました。

皆さんのオススメの本も知りたいので、ぜひ教えてください。