天気の子を見た感想は「ジブリってすごい」でした

 

僕はジブリで義務教育を終えた人間なので、劇中のセリフを一つ聞いただけでどの映画のどのシーンか言い当てられる能力を持っています。

 

僕にとってジブリは教科書そのもので、人生の大切なものは全部ジブリから学んだと言っても過言ではありません。それほどまでジブリへの愛が深く、今まで数え切れないくらい見てきました。

 

そんな僕なので、アニメ映画を見ると、どうしてもジブリと比べてしまいます。

 

今回見た天気の子もそうでした。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155339j:plain

 

結論から言うと、天気の子を見た感想は

 

「ジブリってすごい」でした。

 

以下はネタバレをほんのり含む僕の感想です。

 

僕が特に好きなのは宮崎駿作品なので、この記事で指すジブリ作品は主に宮崎駿氏の作品を指します。

 

ぜひ読んでみてください。

 

 

 

1. 世界観の違い

ジブリの何が凄いかって、そもそも魔法とか不思議が当たり前の世界で物語が始まるので、ラピュタが空に浮かんでようが、キキがホウキに乗って飛ぼうが、ハクが龍になって飛ぼうが、「そういう力、持ってるよね」みたいな感じで、劇中の登場人物は普通に受け止めるし、見ている僕らも「この世界ならそうだよね」と、なんの違和感もなく受け入れられます。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155001j:plain

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155003j:plain

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155009j:plain

 

でもこれってすごいことで、相当しっかりと世界観が作り込まれていないと、違和感を感じてしまうはずなんです。

 

まず魔女の宅急便は、街中はヨーロッパですが、時代はいつなのかハッキリとは分からない。中世かと思いきや、テレビやラジオがあるから違う。かと言って文明が発達した現代かと思いきや、それよりは昔っぽい。ちょっとあいまいなんです。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155054j:plain

 

ハウルの動く城もそうです。同じく街並みはヨーロッパですが、時代はいつなのか、見てるだけだと分からない。あいまいなんです。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155201j:plain

 

自分で物語の具体的な舞台を想像できないから、与えられた設定を自然と脳が受け入れて、魔法も不思議も当たり前の世界として見ることができるんです。

 

特にスゴいのはナウシカです。みなさんマジで原作の漫画を読んでください。僕はナウシカより面白い漫画を知りません。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155233j:plain

 

風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」

風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」

 

 

 

 

漫画を知らない人でも、映画を見た方なら分かると思いますが、世界観がもう異次元なんですよ。

 

メーヴェという謎の凧、腐海という酸の海、王蟲という巨大な蟲。

 

もう宮崎駿は天才ですよ。この世界観は歴史上のどの年代にも当てはまらない。だから僕らは巨神兵も、飛空挺も、すべて「この世界ならアリだよね」と受け入れることができるんです。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155313j:plain

 

しかし一方で、世の多くのアニメ映画の舞台は現代です。「君の名は」も「天気の子」も現代。なんなら舞台は東京です。地名までハッキリしている。

 

そんな僕らもよく知ってる世界で、急に時間がワープしたり、空を飛んだりすると、「え!?どういう物理法則!?」と、頭がついていけなくなっちゃうわけです。

 

その点やはりジブリはすごい。現代の特定の場所をモデルにすれば、建物や風景もイチから作らず楽でしょう。しかしジブリは、それをイチからやっちゃってる。だから魔法も不思議も素直に受け入れられる。

 

さらに言えば、特定の時代や場所をモデルにしていないから、10年後も20年後も、100年後も楽しめるんです。

 

魔女の宅急便の公開から30年以上経っていますが、いまだに見ても古いとは感じません。それは舞台が日本ではないからです。

 

僕は魔女の宅急便のあの町並みに憧れて、モデルになったスウェーデンのストックホルムとゴットランド島に一人で行ってきました。本当に綺麗でした。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155504j:plain

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810155515j:plain

 

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

 

 

ジブリの魅力は何年経っても色褪せません。

やっぱりジブリはすごいんです。

 

 

 

2. 子どもも大人も楽しめる

天気の子で引っかかったのは、「あれ、これ子どもに見せて大丈夫?」という描写が多かったことです。キスシーン程度ならいいんですよ。ただ今回は、風俗店やラブホが思いっきり出てくる。風俗店や援助交際寸前の描写も出てきます。「バーニラ!バニラ!バーニラ求人!バーニラ!バニラ!高収入!」のあの宣伝カーも出てきます。

 

これを子どもに見せるのはキツいでしょう。見た後に「お母さん、なんで子どもはあのホテル泊まっちゃダメだったの?」なんて聞かれたら説明に困ります。

 

あと、露骨なちょっとエロな描写で観客を湧かせようとする点も気になりました。君の名はでも三葉の胸にシーンが出てきますが、天気の子でも同様のシーンが出てきます。

 

あのシーンは果てして必要なのかと、かなり疑問に思いました。

 

一方ジブリは気まずくなるシーンはありません。

 

無理に現代の闇の要素を織り込むことなく、楽しめる作品になっています。

 

ただ大人が考察しようと思えばできてしまうのもジブリ作品のすごいところで、もののけ姫に出てくるハンセン病の患者のシーンなど、一部社会問題を取り入れた描写もあります。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190810160043j:plain

 

ただここで重要なのは、そのシーンの意味を考察せずとも作品として楽しめるという点です。

 

「天気の子」では、唐突に銃が登場して意味不明なタイミングでぶっ放したり、鳥居をくぐるとなんか飛んでたり、全然意味がわからない。そのシーンは●●のメタファーだー!みたいな考察もあるらしいですが、ちゃんと考えないと理解できない。僕は見ていてとても引っかかりました。

 

その点ジブリは、考察しようと思えばできますが、何も考えず子どもが見ても楽しめます。

 

他にも新海誠作品を楽しむには、地名の理解も必要になってきます。

 

都内に住んでる人にとっては、新宿や池袋の街並みが出てくると「あ!あそこだ!」と盛り上がるかもしれませんが、その土地に疎い人からしたらその気づきによる嬉しさというのは体験できません。子どもならなおさら知らない場所ばかり出てくるのですから、なんだかよく分からない危ない街だなあ程度に終わってしまう。

 

もちろん知らなくても楽しむことはできますが、知ってるのと知らないのとでは楽しみ方に差が出ます。

 

一方でジブリは特定の地名が出てくる作品は、宮崎駿作品ではほとんどありません。強いていうなら「トトロ」「風立ちぬ」くらいです。地名を知らずとも、誰でも年齢問わず楽しめます。

 

やっぱりジブリってすごい。

 

 

 

3. 世界を変えなくても面白い

君の名はも、天気の子も、主人公が世界を変えてしまうというデカすぎるテーマがブッこまれます。これは少々面食らってしまいました。

 

「え、僕らと同じ現代の世界に生きる少年が、急に不思議な世界に入り込んで、世界変えちゃうの!?」みたいな。ついていけなくなっちゃうんです。

 

僕のような割と現実的に物事を見てしまう人間は「それは無理があるんちゃうか」と、一歩引いてしまうんですね。

 

一方でジブリは、世界を変えなくても面白い。

 

トトロは、不思議な生き物トトロとメイとサツキが出会って非日常を体験する物語です。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190811134258j:plain

 

 

魔女の宅急便は、一人前の魔女になるために独り立ちしたキキが、いろんな人と出会って成長する物語です。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190811134415j:plain

 

千と千尋は、神様の世界に迷い込んだ平凡な少女が、両親を取り戻すため無理難題に挑戦して成長し、現実世界に帰ってくる物語です。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190811134441j:plain

もののけ姫は森を破壊する人間と、山の生き物たちが対立しますが、最後は山に緑が戻ります。世界を変えるというよりは、ある一部の地域の自然を巡って争いが起きた程度のスケールです。

 

f:id:Nakajima_IT_blog:20190811134508j:plain

 

ラピュタやハウルでは戦争のシーンも出てきますが、パズーやシータ、ハウルが頑張るのは、戦争を止めて人々を救おうってよりも、僕らの幸せを守ろうという思いの方が強く、ラピュタに対するパズーの思いや、今まで孤独だったハウルに家族ができた幸せが劇中でしっかりと映し出されているので、動機が十分理解できます。

f:id:Nakajima_IT_blog:20190811134531j:plain

f:id:Nakajima_IT_blog:20190811134521j:plain

もっといえば、主人公たちが起こすアクションのスケールが大きくとも、世界観がそもそも現実離れしたものなので、するっと受け入れられるんですね。もともと舞台となっている世界が、僕らの現実からはかけ離れたものだから。

 

でも舞台が現代の特定の地域だと、どうしてもそこから想像力を飛躍させるのが難しい。

 

細田守作品もそうです。サマーウォーズも、なんで数学が得意な男の子が世界を救うんだ?とか、街の裏道から知らない世界に迷い込んで、バケモノに弟子入りして最強を目指すんだ?とか。どうしても頭が追いつかなくなってしまいます。

 

4. 音楽がすごい

最後は音楽です。天気の子で気になったのは、前作「君の名は」と音楽一緒やん...ってことでした。「君の名は」と同じく舞台が現代の新宿周辺でRADWIMPSが作っているので仕方ないかもしれませんが、 聴いていて新しい感動がありませんでした。

 

一方でジブリはすごい。

 

宮崎駿作品は全て久石譲が作曲を担当していますが、作品ごとに全く違う世界観の音楽を提供しています。

 

 

ジブリ・ベスト ストーリーズ

ジブリ・ベスト ストーリーズ

 

 

 

トトロやポニョなど小さい子どもでも親しめる音楽から、もののけ姫や風立ちぬの荘厳な音楽まで。どの作品の曲もいい意味で似ておらず、独自の世界観を表現しています。

 

やっぱりジブリはすごい。

 

 

 

他に気になったところとしては、君の名はや他の作品の過去キャラが出てくる必要があったのかなと思いました。

 

ずっとファンの人なら大歓喜かもしれませんが、初めて見る人からしたら「誰やねんこいつ」となるわけで、自分の知らない話題で盛り上がってる「内輪ネタ」を見せつけられているのと同じわけです。それじゃいい気分はしないでしょう。

 

その点ジブリは過去作のキャラがちょっと出てきたりなど一切しないわけで、毎回全然違う世界が描かれています。本当にすごい。

 

 

以上、ジブリが好きで好きで仕方のない僕の感想でした。やっぱりジブリってすごい。風立ちぬでの引退を宣言した宮崎駿監督ですが、現在は撤回し、新しい作品を作っているとのことです。早く見たいなあ。 

 

 

 

<映画の記事はこちらから> 

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

www.nakajima-it.com

 

Twitterでは爆速で役立つ情報発信をしてます