彼女いない歴=年齢の人に彼女ができる確率はものすごく低い

 

土曜日17時の渋谷ハチ公前。遠くからはハチ公が確認できないくらい混雑しています。

約束の10分前に着いたカツオ君。早川さんは会社の同期と中目黒のおしゃれなカフェでアフタヌーンティーを楽しんでいたとのこと。待ち合わせ時間の5分後に渋谷駅に着きました。東急東横線を降りて地上に上がりハチ公に向かいましたがなかなかカツオ君が見つかりません。

 

「え?まだ分かんない?なんとかハチ公の真横まで来たからこっちまで来て!」

 

そして間も無く人混みを掻き分けながら早川さんが登場。白のブラウスが夏の日差しに映えます。

「ごめん遅くなっちゃって...」と申し訳なさそうな顔。

 

「全然いいよ!てか今日何食べたい???」

 

「あ、まだ決めてないのね。磯野君が好きなのでいいよ!」

 

「えー!今日せっかく来てくれたし早川の好きなものでいいよ!」

 

「うーん。でもなんだろ。何も考えてなかったから...じゃあイタリアンかな...」

 

「おっけー!じゃあ歩きながら探そ!」

 

真夏のスクランブル交差点を歩く二人。夕方とはいえ気温は30度を超えています。アスファルトから放たれる放射熱が二人を襲います。

 

「こことかどうかな」

 

ある雑居ビルの前で足を止めたカツオ君。看板のチーズフォンデュか気になったようです。

(イタリアンとは違うかもしれないけど、女の子ならチーズフォンデュ好きに違いない...)

そう確信しエレベーターに乗って7階へ。入り口に行くと行列が。聞いてみると30分から1時間待ちとのこと。

 

「まじかー。どうしよ。待つ?」

「どっちでもいいよ」

 

なんだか早川さんの声に元気がありません。暑いし疲れたのかな?休憩も兼ねて並ぶことにしました。しかしいくら並んでも列が進みません。それに会話も続きません。先週はお酒の力でなんとかなっていたものの素面では勢いもなく何も話せないカツオ君。

 

「列進まないし他行こっか!」

「え、でも20分も並んだんだよ?」

「でもこのままだと1時間くらいかかりそうだよ。もう涼めたしとりあえず外行こ!」

 

再び外を歩き回る二人。二、三件満席で断られたのち、ようやく空いてる店を見つけ中に入りました。

 

「やっと入れた!よかったよかった!」

「そうだね... ちょっと疲れちゃった...」

 

入った店は先ほどと同じような雑居ビルにあるイタリアンのお店。なんでも水槽がついてるそうで、これなら女子は大喜びに違いありません。ウキウキしながら席に着きました。

 

 

「オシボリデース!!! オトオシデース!!!  ゴユックリドウゾ!!!」

 

カタコトの日本語の外国人店員が入って来ました。出て来たお通しはカッピカピのパンとオリーブオイル。とりあえずお酒を頼みます。

 

「うーん...こういう時どうすればいいのかな???」

「え...白ワインをグラスで。とかでいいんじゃない?」

「そっか!じゃあ...(一番安いやつを指差して)これ二つで!」

 

ようやくディナーが始まりました。がどういうわけか話が盛り上がりません。暑さにやられたのか早川さんに元気がありません。

 

個室についている期待していた水槽は想像よりも小さく、コケのような緑が壁にこびりついています。肝心の魚は1匹も見当たりません。おまけに水槽の水が臭っています。あの看板のきれいな水槽と魚はなんだったんでしょう。

 

「大丈夫?」

「なんかこんなの久々で...笑」

 

何が久々かよく分かりませんでしたがなんとか会話を盛り上げようと一生懸命話しました。サークルの昔話、就活の話、今の仕事の話。自分をアピールしようとついつい話しすぎた気もしましたがお酒もまわり上機嫌のカツオ君。反対に早川さんには未だ元気がありません。

 

「オマタセシマシター!!! マルゲェリータデース!!!」

(ドコッ!!!)

 

置いた衝撃で乗っていたチーズがずり落ちピザが生地だけに。気づきもせずに帰って行く店員。(今のはないでしょ)と思うカツオ君でしたが早川さんがクスッと笑っているのを観測。良かった。笑ってる。

 

しかしそのまま盛り上がることもなくタイムアップ。お店を出ます。

ですがまだ物足りないカツオ君。この機会をどうしても逃したくありません。

 

「この近くにオススメのラーメン屋あるんだけど」

「ラーメン???でも私お腹いっぱいだし...」

 

そうはいうもののさっきのお店ではほとんど何も手をつけていなかった早川さん。ほとんどカツオ君が食べていました。女の子だからよく食べると思われたくないのかな?と心配になったカツオ君。

 

「いや遠慮しなくていいよ!!!行こ!!!」

と歩き出しました。しかし......

 

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