Stay tune in 東京 Friday night
Oh Good time 癒えない like The "Dead rising" soon
震えるほど寒いとある金曜日の夜。
僕は渋谷駅の東急東横線のホームにいた。
へいへいだーん
へいへいだーん からっぱ
Sucumosの代表曲”STAY TUNE”のなんて言ってるのかよく分からない冒頭部分だ。
へいへいだーん
へいへいだーん からっぱ
僕にはこれにしか聴こえない。
イヤホンから流れるSTAY TUNEの洒落たイントロを聴きながら僕は歩き出した。
金曜日の夜。渋谷。
この2つの条件が重なったとき、人は死を覚悟する。
そう、そして特に、今から僕が挑もうとしている
東横線から埼京線への長すぎる乗り換えにおいては。
僕が渋谷に降り立った理由。それはあのSuchmosのSTAY TUNEに出てくる印象的なフレーズ「もうGood night」が一体このクソ長い乗り換えにおいて何回登場するのかが気になったからだ。
なぜそんなことが気になったかって?理由なんてない。
鳥が空を飛ぶように、魚がエラで呼吸をするように、僕がSTAY TUNEのGood nightを数えたくなったように、そこには理由なんてないんだ。動物的な本能が、僕の好奇心を呼び覚ました。ただそれだけだ。
深く息を吸い、いざ乗り換えの旅路へ。
下手したら命を落としかねない。
今日は金曜日の夜。渋谷には大勢の人が集まる。
命を落とすわけにはいかない。
ストップウォッチスタート。
STAY TUNE
チャンネルはそのままで。
僕も落ち着いて、ありのままの自分でこのチャレンジを終えるんだ。
いざ行かん。埼京線へ。
早速エレベーターを登り乗り換え口を探す。
18時前。ぼちぼち人が増え出した。
看板にしたがって歩みを進める。
事前にアプリで調べた道順によると、埼京線への近道は出口14経由でJRの改札に向かう道のりらしい。
あれ?
......あれ?
どこを探しても
見つからない
出口14どこあんの
俺の目をかわすJR
おっさんばっか見飽きたよ
うんざりだもう
出口14が見当たらない。てかいきなり遠い。
どうやら登るエスカレーターがちょうど真逆だったらしく、歩かなくてはいけないようだ。
我慢して歩くとようやく看板を発見。
I always searching for the road to 出口14
襲ってくる屍のおっさん
別に屍でもないし、襲われてはいないけど、無限に続くエスカレーターで仕事帰りのおっさんとすれ違う。
こんなに登ったのにまだ地下らしい。どんだけ深いんだ渋谷駅。
マザーテレサの慈悲かよ。
そんなことを考えているうちにあっという間にサビだ。
ブランド着てるやつ もうGood night
Mで待ってるやつ もうGood night
Mで待ってるってどういう意味なんだ。
よく分からない歌詞に首を傾げながら改札を通る。
しばらく歩き、やっと出口14へ続く道へ。
再びエスカレーターへ。
その間もSuchmosは皆におやすみを告げる。
頭だけ良いやつ もうGood night
広くて浅いやつ もうGood night
心の中で通り過ぎる名前も知らぬ大人たちにおやすみを告げながら出口14を出る。
すぐ曲がるとそこからJRへ続くトンネル通路が。
何年もずっと工事中の渋谷駅。
いつまでたっても終わらない工事。
どんどんデカくなっていく駅。
2045年にはシンギュラリティだか何かで日本の国土の3分の1は渋谷駅になっているに違いない。
あまりにもデカくなりすぎた渋谷駅が居住地を奪い、人間の生活を脅かすのだ。なんだこのB級SF映画は。
渋谷駅が人間の生活を脅かすかはさておき、僕らは吸い込まれるようにトンネルの中へと入る。
隣を歩く女子高生の会話。
「あれめっちゃインスタ映えしそうじゃないw」
「Tik Tokウェーイ」
迷言ばっか聞き飽きたよ
うんざりだもう
渋谷は常に情報量が多い。溢れる人、モノ。
そこで繰り広げられる会話。どれもが大衆的で、見飽きたものばかりだ。しかしいつしかそれらは混ざり合い、新たな文化を生む。
このカオスこそが今でも渋谷が人を惹きつける魅力なのかもしれない。
ようやくJR南改札へ
まず山手線のホームへ登る。
SexyなMouthをほころばせる美女なんていないし
Peaceな話も何も聞こえない
ただCoolな冷めた目でスマホを見つめる大人大人大人
そんな中、STAY TUNEのグッナイを数える僕。何がしたいんだ。
ホームにたどり着くもまだまだ歩く。
そして何度目かのエスカレーター。
一体何メートル登ったんだ。
長い。長すぎる。
登りきると再び歩き。
ブランド着てるやつ もうGood night
Mで待ってるやつ もうGood night
頭だけ良いやつ もうGood night
広くて浅いやつ もうGood night
どうも。広くて浅いやつ代表の中島です。
あまりにも歩きが長くてSTAY TUNEのサビの力を借りてすっとばしてしまった。
パトラッシュ、僕はもう疲れたよ。
歩き疲れた。もうGood nightしたい。
パトラッシュ。僕はもうちょっと頑張るよ。
ふと顔を上げると目線の先にはこいつが。
誰だオメエは。
しぶやぎて言うやつ もうGood night
よく分からんキャラをGood nightし先を急ぐ。
ええい。こうなったらGood night祭りじゃ。
青くてデカイやつ もうGood night
緑のキモいやつ もうGood night
主食ハチミツ熊 もうGood night
黒くてキモいやつ もうGood night
眉毛が太いやつ もうGood night
Stay tune in 東京 Friday night
Oh Good time 癒えない like The "Dead rising" soon
なんかよく分からないキャラがところどころにいた。東京の夜が見せた幻だったのかも知れない。
さてグッナイしながら前へ。
重そうなスーツケースを運ぶ外国人観光客たち。
この長い乗り換えにこの大荷物は大変そうだ。
Youたちの旅が良いものになるように。心を込めて、Good night。
そしてエスカレーターを降りる。
まだまだ降りる。
工事の隙間から見える大都会渋谷の横顔。
STAY TUNEのシックなリズムとよく合う。
いよいよゴールかと思いきやまだまだ道は長い。
とっくに2周目に突入したSTAY TUNE。
STAY TUNE
チャンネルはそのままに。
Suchmosと共に埼京線を目指す。
狭くなってる道 もうGood night
狭くなってる道 もうGood night
(2回目)
狭くなってる道 もうGood night
(3回目)
狭くなりすぎだろ。殺す気かよ。
華金で人も多い駅。肩と肩がぶつかりながら負けじと前へ進む。
ここで負けるわけにはいかない。
ようやく道が開けた。
見えてきた。
ついに
埼京線のホームまであと少し!
そしてようやく着いた。
端っこ歩くやつ もう危ない。
端っこ歩くやつ もう危ない
ホームに着いた余裕からか誰彼構わずGood nightしないで身を案じる余裕も生まれてきた。
長い。長い道のりだった。
そして電車が到着。
そしてタイマーを止める。
東横線から埼京線の乗り換えにかかった時間...
12分37秒!!!
長え!!!長すぎる!!!
そしてSuchmosは何回グッナイしたかと言うと...
28回!!!
なんと東横線から埼京線への乗り換え一回につき、28日分のGood nightを聞けることが分かった。
Good nightばっか聞き飽きたよ
うんざりだもう
だ。
STAY TUNEのおしゃれな静かなリズムを繰り返し聞いたせいかめちゃめちゃ眠い。一種の催眠術だ。あれだけGood night Good night聞いていたら誰だって眠くなる。
それに人の多い金曜日かつ真冬の夜だ。
あのまま乗り換え中に意識を失っていたら踏む蹴るのオンパレードかつそのまま脇に投げ捨てられて朝発見されたときには冷たくなっていたかも知れない。なんて恐ろしいんだ。Suncmos。渋谷の東横線から埼京線の長すぎる乗り換えの際はSTAY TUNEではなく別の曲を聞くことをオススメしたい。
マキシマムザホルモンの爪爪爪とかええんちゃうかな。知らんけど。
以上。Suchmosは渋谷の東横線から埼京線の長すぎる乗り換え中に28回グッナイすることが分かった。
最後に一言。
僕 は 一 体 金 曜 日 の 夜 に 何 を し て い た ん だ 。
まあ良い。そんな日もあるさ。
埼京線の車窓から見る渋谷の街は、あらゆるものを包み込み、寒空のもと、煌々と輝いていた。
STAY TUNE
チャンネルはそのまま
静かでかつ都会の憂が感じられる曲に耳をすませながら渋谷に別れを告げる。
Good night
今日は良い夢が見れそうだ。
次回!!!
あいみょんは渋谷の東横線から銀座線の
登りがキツすぎる乗り換え中に
何回ロックなんか聞かずに
階段を乗り越えるのか!!!
お楽しみに!!!
RADWIMPSが武蔵小杉の長すぎる乗り換え中に何回いいんですかと歌うのか検証した記事はこちら!