「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」から学ぶ”価値”のある働き方

 

「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」は自身の給料の低さに悩む社会人にどうすればもっと収入をあげることができるのかを従来の思考から離れて道筋を示してくれる一冊なのだが、全学生、全就活生にも読んで欲しい一冊だ。

 

この本では「給料は何で決まるのか」から「どうすれば給料を上げることができるのか」まで一貫した理論に沿って展開されており、「どうぜくだらない自己啓発本だろ」と見くびっていた僕はとても感動した。

 

この本では著者が経済の古典「資本論」とベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」をなんども読み込んで学んだ一見異なる二冊のある共通点から導き出される「理想の稼ぎ方」について書かれている。

 

 

1. 給料は「明日も同じように働くのに必要なお金」

給料を上げたいのなら、まず自分の給料はどうやって算出されてるのかを知る必要がある。

著者の木暮氏はこう説く。

 

「給料は明日も同じように働くのに必要なお金」だと。

 

仕事帰りご飯を食べ、テレビを観てソファでくつろいで、お風呂に入って寝る。

翌朝、朝ごはんを食べ着替えて電車に乗って会社に行き、再び働く。

 

給料はこのように明日も同じうように働くための「労働の再生産コスト」を元に算出されているのだ。

 

具体的に言えば、家賃や食費、交通費、そしてエネルギーを養うための休みにかかるお金はこのくらいだろうという計算によって給料は決まっている。

 

 

そこで何が起きるのかというと、お金が一向にたまらないのだ。なぜなら僕らの給料は「給料は明日も同じように働くために必要なお金」だから。貯金して投資して運用するためのお金はそもそも計算に入っていないのだ。

だから年収が高くとも、そういう人はその分仕事の疲れを癒すために休みにお金を使ったりし、「明日も同じように働くためのお金」の分だけ消費してしまうので、結局お金に余裕がなくなってしまうのだ。

 

 

2. 「使用価値」と「価値」を理解しよう

次に僕たちは「使用価値」「価値」について理解しなくてはならない。

この2つを聞いて違いがわかるだろうか?

使用価値は、「それを使って意味があるかどうか」を指す。

パソコンや鉛筆、ノートは使えば計算ができたり資料を作れたり、メモを残せたりして便利である。ゆえに「使用価値」が高い。

 

一方で価値は「それを作るのにどれくらい手間がかかったか」で決まる。

壺や絵画など芸術品が代表例だ。

 

 

そしてこの二つの価値の考え方を適用して、商品の値段が決まる。

 

例えばおにぎりの価値は、おにぎりを作るのに必要だった「労働力」「調味料の価値」「具の価値」「ご飯の価値」などの総和によって決まる。

そして価値が高いほど値段も高くなる。

ここで大切なのは「使用価値」はそれほど値段に影響しないということだ。

例えば鉛筆は「文字が書ける」、ビルは「オフィスとして使える」など、二つとも使用価値が高く、それが存在しなければ多大な不利益を被る。しかし二つの値段は全然違う。鉛筆は一本数十円だが、ビルは一棟数億円もする。

 

そんなの当たり前だろと思うかもしれないが、ここで大切なのは二つの値段の差を生み出しているのが「価値」ということに気づくことだ。

鉛筆は1人で時間をかけずに作れるかもしれないが、ビルは何千、何万人という人が設計から建設にいたるまで携わり、コンクリートや鉄筋などお金をかけて材料を買い、組み立てている。さっきのおにぎりと同様、ビル一棟を立てるのに必要な労働力の価値、材料の価値、土地の価値などの総和がビルの価値になるのだ。

 

そしてこの考え方は僕たちの労働力にも適用される。

僕たちの労働力を「商品」とみなしたとき、その値段はおにぎりと同様に、あらゆるものの価値で決まる。

その価値の構成要素には先ほど触れた「明日も同じように働くためのお金」も入ってくる。

が、大事なのはスキルに習得が自分の労働力の価値に加算されるという点だ。

 

例えばコンビニでは一個180円くらいするおにぎりが売られてたりする。普通のおにぎりは100円なのにも関わらず。

それはなぜかというと、そのおにぎりの具が「紀州のうめ」だったり「知床産サケ」だったり「松坂牛」だったりするからだ。

つまり自分の労働力にプラスアルファで価値があると、労働力の価値が大きくなり、それに伴い給料も上がるのだ。

 

 

3.  利益を上げるには売り上げを上げ費用を下げるしかない

何をバカにしてるんだと思うかもしれないが、利益は売り上げから費用を引いたものだ。

 

売り上げ-費用=利益

 

利益を上げるには「売り上げを上げる」「費用を下げる」の二つしかない。これを僕らの給料に当てはめてみる。

 

何度も言ったように、僕らの給料は「明日も同じように働くために必要なお金」である。

この前提に立つと、まず「明日も同じように働くために必要なお金」=「費用」を自分の中で下げることで相対的に利益は上がる。

例えば家賃を下げたり、食費を下げたりだ。

 

しかし著者は、そういった額面的なものではなく、精神的にかかるコストも下げることが大切だという。

激務の仕事は高給かもしれないが、その分ストレスがかかる。

ホワイトで十分に精神的余裕を得られる仕事につくことで、明日働くために必要な精神の回復コストを下げることができ、相対的に利益(筆者は「自己内利益」と呼ぶ)を上げることができる。

 

そして二つ目、売り上げを上げるためには先ほど触れたように自分の労働力の価値を上げるしかない。

ここで「なんの積み重ねにもならない激務」は全く意味のない労働になる。

 

例えば一ヶ月死に物狂いで月収100万を達成しても、その激務の中で次の月に同じく100万円を稼ぐためのスキルが身につかなければ意味がない。また翌月も死に物狂いで働くことでしか100万円を達成できなくなる。

 

そうではなく、自分の中に次の100万円を稼ぐための「土台」を築けるような仕事をすることが大切なのだ。

 

 

この「土台」「スキル」であり、スキルがある人は、次の100万円を稼ぐために0から全力でジャンプする必要がなくなる。

 

 

4. 僕はどういう働き方をすればいいのか

僕自身就活中で、働きたい職種が一日18時間くらい労働する日もざらにある「激務」で有名な業界だった。

若いうちに学べるならそれでもいいかと思っていたが、この本を読んで考え方が少し変わった。

 

まず額面的な給料を上げることにそれほど意味を感じなくなった。なんどもいってるように僕らの給料は「明日も同じ労働をするために必要なお金」で決まる。激務をこなせば年収は高くなるかもしれないが、その分また働くためのエネルギーを養うのに必要な経費がかかる。

 

であればだ。今このようにブログやTwitterで情報発信していることを活かし、労働時間が長くない職場で働きスキルを貯めつつ、引き続き情報発信を続け、自分の市場価値を上げていったほうが結果的に収入は高くなるのかもしれない。

 

そしていずれにせよ、収入を上げるためには自分の価値を上げなくてはいけない。

 

プログラミングや英語など。価値がない人間に金が払われるわけがない。

 

残りの学生生活、そして社会人になってからも、今自分がしていることは自分の価値を上げることに繋がっているのかを考えて生きていこうと思う。

 

ここで触れたのはほんの一部で、まだまだ学べることがたくさん書いてあるので、気になった方はぜひ読んで見てほしい。

 

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