マレーシア一人旅 旅の始まりは蒲田駅から

 

 

夜7時の蒲田駅。駅前は家路を急ぐサラリーマンで溢れている。そんな中、僕は人混みを掻き分け、一人東口へと向かう。

 

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普段は使わないリュックを背負い、パンパンに膨らんだショルダーバッグを肩掛けゆっさゆっさと揺らしながらバス停に向かう。

 

行き先は羽田空港国際線ターミナル。そう、僕はこれから旅に出る。そして今回は1人で。飛行機に乗り、海を越え、空を渡り、ひとり旅に出るのだ。

 

僕は羽田空港に行く時、蒲田駅からバスで向かうのが好きだ。蒲田駅の羽田行きのバスは東口を出てすぐのところにある。バスに乗り込んだがほとんど人がいない。僕は何度か羽田に行く時に蒲田からこのバスに乗って向かうのだが今までこのバスが混んでいたことはほとんど無かった。この時もバスにいたのは五人で、皆一人のようだった。

 

今回が人生初の一人旅。しかもそれが海外ということで、1人で席に座りながら静かに緊張を感じていた。バスが出発した。市街地を抜けどんどんどんどんと街の灯はまばらになって行く。途中何度か停車するが誰も乗り込まない。三駅に一人くらいがおり最終的に羽田に向かうまでにバスの中はたった二人になった。

 

僕はこのなんとも言えないもの寂しさが好きで、蒲田からバスで羽田空港へ向かう時にはバスを使う。蒲田駅があるのは大田区。賑やかな地域だ。特にこの夜七時あたりは家路を急ぐサラリーマンで溢れている。

 

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そんな喧騒の中、ひとりバスに乗り込みこれからひとり海外へ旅立つという少し不思議な気持ちを抱えて乗るバス。さっきまでは商業ビルが建ち並ぶ大田区を走っていたのに、市街地を抜けると、ビルはおろか、建物自体少なくなっていく。

 

バスの窓に寄りかかり、通り過ぎて行く街灯を眺める。もう1人の乗客は中国語で誰かと電話している。これから母国に帰るのだろうか。空いた座席にたくさんの荷物を積んでいる。きっとたくさんお土産を買ったのだろう。

 

短い橋を渡り、一気にひらけた景色が広がった。そして現れた羽田空港。不夜城よろしく煌々と輝き、タクシー、バス、トラックがせわしなくターミナルに吸い込まれていく。

 

 

そのうえを飛行機が飛んでいく。いよいよ旅が始まるのだ。そんな実感が僕の緊張を増した。

 

羽田空港に最初に入ってバスが一番最初に止まるのが国際線ターミナルだ。バスが到着すると、その中国人らしき観光客も降りた。何やら急いでいる様子だ。もしかしたら時間がギリギリなのかもしれない。僕も降りて、国際線ターミナルに入る。

 

ここに着いた時点で、もうほとんど日本じゃないと言ってもいい。実際中に入るとそこには中東系の大きな荷物を抱えた一団が一つ、そしてアジア系の顔をした家族連れらしき団体が三つ、全く僕の理解できない言葉で話していた。

 

1人荷物をまとめロビーへ向かう。荷物はリュックサック一つにショルダーバッグ一つ。かなり軽装できた。今回は1人旅だ。必要以上の荷物はいらない。どれだけ荷物を減らせるか考え極力最低限の装備できた。エスカレーターを上り、出発ロビーへ。チェックインを確認したところ、まだ2時間以上の余裕があった。

 

そこで僕は散歩をし飛行機に乗る準備をした。フライトは夜中の0時から朝6時まで。乗ったらもう寝るだけである。

 

国際線ターミナルにはお土産ショップとレストランが並ぶ日本風なエリアがあってとても綺麗だ。歩いているだけで楽しい。

 

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腹ごしらえを終え、海外で使う予定のポケットWiFiを受け取る。一般にはイモトのWiFiが知名度が高くそれを使う人が多いと思うが、個人的にはグローバルWiFiが一番安いのでおすすめだ。価格.comで調べてみるとそれがよくわかる。今回は三日間の利用で1400円。一日あたり500円しないくらいでかなり安い。

 

townwifi.com

 

 

それでもなお時間に余裕があるので僕は外に出て羽田を飛び立つ飛行機を眺めてた。あと2時間もしないうちに飛行機に乗り込んで知らない国にひとりで向かうなんて嘘みたいだ。旅行というよりも冒険に近い。というのも、僕はあまり向かう国については調べておらず、地球の歩き方を買って気候と食文化を少し調べてきたくらいだった。

 

 

飛行機を眺めていると期待と不安が膨らんできた。しかし今回はそれを共有する相手も、話す相手もいない。たった1人の旅である。

 

 

 

バルコニーで楽しそうに話をするサラリーマン達、職場が空港なのだろうか。1日の業務を終え、酒を飲みながらとても良い表情をしている。これから僕が1人で飛行機に乗り、未知の国へ旅立つことなんて1ミリも知らないだろう、なんだかそれが少しおかしい。

 

荷物をまとめ空港の中へ戻る。まだ余裕があるかと思っていたが、既にチェックインが始まっていた。今回僕が使う航空はエアアジア。東南アジアを拠点に展開する格安航空会社である。

 

僕が着いた頃には、すでに長蛇の列ができており、受付が済むまでに30分くらい並んだ。かなり荷物を減らしてきたつもりだったが、持ち込み可能な重量ギリギリだった。チェックインを済ませ、そのまま出国手続きも終える。

 

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免税店を見て余った時間を過ごした。

 

出発の1時間半前、自分の飛行機が到着するロビーへ向かう既にたくさんの人がいた。見ていて気づいたのが殆ど日本人がいないということだ。多いのはマレー系の人、中国系の人、それに中東系の人もいた。

 

各々が所狭しと荷物を並べ、椅子に座って仮眠をとったり、大声で話したりしている。さすが空港、もう日本ではないみたいだ。僕は何とか席を見つけ、充電しながら出発を待った。ふと持ってきた世界の歩き方を開く。

 

ここまで渡航先の国名を隠してきたが、いい加減明かそう。

 

今回の旅行先はマレーシアだ。

 

マレーシア。そう聞いたあなたは何を思い浮かべるだろうか。僕は出発直前のこのロビーにいる時点でなんとなくでかいツインタワーがあることくらいしか知らなかった。

 

というのも今回なぜマレーシアに行くことにしたかといえばただ空港券が安かったからである。往復なんと三万五千円。行きたい国の中で最も安い値段だった。そこで特に何も考えずとりあえずチケットを予約したというのが事の次第だ。

 

 

 

ちなみに航空券をとるサイトでオススメなのはトラベルコというサイトである。

 

www.tour.ne.jp

 

どういうわけだか他のサイトも他社の航空券価格と比較して検索結果を表示しているはずなのにトラベルコで調べた方が断然安かった。知り合いはこのサイトを使ってフィリピンまで往復18000円で行けたらしい。日本で新幹線を使うよりも全然安い値段だ。

 

 

地球の歩き方を読み、これから向かう国への想像を膨らませる。

 

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国内で両替してはレートが悪いと向こうの空港で両替するつもりでいたのでまだ現地の通貨を一切持っていない。果たして本当に空港で両替できるのか。楽しさと共に不安も募ってきた。そんな中、搭乗手続きが始まった。

 

 

かなり乗客が多い。行列に並びながら、僕は飛行機内で使う枕を膨らませた。海外旅行に何度か行ってる僕からするとこの枕は必需品である。

 

 

 

今回のフライトは約6時間半。エコノミークラスの座席では首が痛い。この混雑具合だと機内はぎゅうぎゅう詰めでとても窮屈だろう。

 

今回買ったこの枕は手で押せば空気が入る方式だ。すぐに膨らませ終え、首にはめて並び、ようやく順番が来て僕は飛行機に乗った。CAさんも丁寧で、室温も快適である。隣との間隔は多少窮屈ではあったが、そこまで酷くはない。両隣が結構大柄の人で、僕自身も肩幅は広い方だが、それでも少し余裕があった。

 

やはり東南アジア向けの航空会社ということもあり、機内放送はあまり日本語が聞こえなかった。しかしどういうわけか、ずっと古いJ-POPが流れている。僕が小学生だった頃のナルトの主題歌が流れたりしていてなんだか懐かしかった。

 

しばらくして飛行機が動き出した。僕は読んでいた地球の歩き方をそっとカバンにしまう。窓の外を眺めると、暗闇の中に空港や飛行機の明かりが浮かんでいてとても綺麗だった。

 

時刻は午前零時。夜8時に蒲田についてからというもの、ずっと忙しく動いていたのでなんだか眠くなってきた。目が覚めたら、東京から遥か5300キロ彼方マレーシアの地にいると思うとなんだかワクワクしてきた。

 

飛行機が滑走路にたどり着き、ぐんぐんとスピードをあげ離陸体勢に入った。機内はすでに暗い。僕の両隣はすでに静かに寝息を立てて寝ている。

 

ふっと浮いた感じがし、機体が地面を離れた。遠ざかる眼下に広がる東京の光。やがてすっかり見えなくなり、あたりは闇に包まれた。

 

隣の人を起こさないよう、そっとブラインドを降ろし、僕は目を閉じた。

 

これからどんな冒険が待っているのだろう。希望に胸を躍らせながら眠りにつく。

 

 

 

 

これからしばらくはこの旅行についての記事を書いていく予定だ。僕がこの三日間の旅行で体験したことをありのままに綴っていこう。

 

そして読んでくれた皆さんはきっと、マレーシアに行きたくなるはずだ。そう確信できるくらい、この一人旅は素晴らしかった。

 

 

ぜひ楽しみにしていていただきたい。

 

 

それでは皆さん、おやすみなさい。

 

<続いての記事>

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