小学校5年生から中学校2年生くらいまで、僕はデュエマにどハマりしていた。
僕のデッキは「水」と「闇」の2色のデッキ。
グランドデビルとデーモンコマンドを主体としたデッキだった。
作戦としてはまず早い段階で、ブロックされない厄介な封魔ハリセンモンなど攻撃力は低くとも低コストのクリーチャーを召喚し相手のシールドを削り
電脳封魔マクスウェルを出し、後半から出したいパワーのあるクリーチャーの召喚コストを下げる。
当時の主流は速攻デッキで、早い段階で素早く攻撃を仕掛けてくるデッキが強かった。3ターン目に出せるスピードアタッカーのエグゼドライブはとても嫌なカードだった。
こういった速攻デッキに対応するために、低コストながら防御力が5000まで上げられる封魔アルバラムを使ったりして、速攻デッキにも対応できるようにした。
また海魔城ティーツーという、これを装備したシールドは「シールドトリガーになる」なんていう変わり種も仕掛けておいて、相手の嫌がる罠を仕掛けておいたりした。
低コストのクリーチャーで相手のシールドを削り、守りも固め、封魔マクスウェルの効果で召喚コストを下げたら一気に攻め込む。
これがデュエル序盤の戦法だ。
後半からはガンガン攻める。
ベルヘルデディオスやブラックルシファーなど、Wブレイクするパワーを持ちながらひと癖あるクリーチャーを、マクスウェルの効果で低コストで召喚していき、相手にプレッシャーをかける。
こちらが攻撃を受けた場合に備えてデーモンハンドもデッキに組み込んでおいた。
そしてフィナーレは超新星ネプチューンシュトローム
今まで召喚したクリーチャーを進化材料に使い、メテオバーンの効果で相手のクリーチャーを全て手札に戻し、一気に攻め込む。こいつが召喚できたら勝利は間違いない。
僕はこんな感じで序盤は低コストでひと癖あるクリーチャーを召喚して攻めと守りのバランスをとり、後半一気に攻め込むという戦法を取っていた。
このデッキは結構強くて、地元では負け知らずだった。特に大会に出たわけではなかったので、どこまで自分の力が通用するかは分からなかったが、デュエマにハマった数年間を通して僕は大切なことを学んだので、ここからはそれについて書きたいと思う。
まず僕はデュエマを通して、多数派ではなく少数派を選ぶことの大切さを学んだ。
当時の主流は火や自然を使った速攻や、ガンガン攻めるドラゴンデッキや、守りを固めてから進化を使って攻撃に転じるエンジェルコマンド主体の光のデッキだった。
お金もなかった当時の僕らは、交換によってカードを手に入れていた。
当然ながらみんなに人気の火や光のカードは入手しずらい。一方で僕が愛用していた水や闇のカードはそこまで人気ではなく、特にグランドデビルやデーモンコマンドといった種族を使う人は周りにいなかったので、簡単に交換で手に入れることができた。
もしみんなと同様人気のデッキを作ろうとすれば、思うように交換が進まず、強いデッキを作ることができなかっただろう。
ライバルの少ないフィールドを選ぶことで優位に戦いを進めることができるのを、デュエマから学ぶことができた。
次に、いろんなデッキの構成をシミュレーションして、どれが一番強いかじっくり考える力も身についた。
デュエマのデッキは40枚ぴったりにしなくてはいけない。最初の手札は5枚で、その5枚がどんな組み合わせでも勝てるようにいろんなシミュレーションをして、デッキに組み込む40枚を厳選した。
カードをバーっと一面に並べて3時間くらい、あーでもない、こーでもないと頭をひねったこともあった。時間をかけてじっくり考えることで思考が整理され、納得のいくデッキを作ることができた。
もう一つ学んだのは、付加価値をつけることの重要性だ。
僕はカードの交換の際、複数枚セットで売るようにしていた。例えばこんな感じ
「こいつを召喚することでドラゴンの召喚コストが1下がるわけです。そしたらこのドラゴンを5ターン目に召喚することができますよね。そしてさらにこいつを召喚すればクリーチャーのパワーがプラス3000になるのでかなり攻撃力が上がります。一気にたたみかければ、はい!勝利!交換するしかないっしょ。」
カード単体の交換だとどうしてもそのカードのレア度で勝負しなくちゃいけなくなるので難しい。レア度は低くてもセットで使えばこんなに強いですよみたいな付加価値をアピールしまくって、友達が持ってる強い単体のカードとの交換に成功していた。
そしてカードの交換を通して相手を説得する方法もデュエマから学んだ。
どうしたら相手が自分が交換に出すカードのセットを魅力的に感じてくれるかを考え、トライアンドエラーを繰り返した。
その一環でジャパネットたかたを見て真似したりしてた。
「なんと!!!さらにこのカードまで付けちゃいます!!!」
とかね。結局僕は相手に考えるスキを与えないマシンガントークで「ねえ!このカードとこのカードでこんなことできるよ!すごいでしょ!交換しないと損だよ!さあ!交換しよ!ねえ!」と押しまくり、「わかった!おまけでこれも付けるよ!大サービスだよ!」と得した気分にさせることで交渉成立に持っていった。かなり強引な手法だったが、デュエマのおかげで話す力は相当身についたと思う。大切なことはやっててよかった。
以上のように、僕はデュエマを通して、少数派に属すことの優位性や、じっくり考えて戦略を立てる思考力、付加価値の大切さや、相手を説得するトーク力を身に着けることができた。大切なことはデュエマが教えてくれた。やっててよかった。
現在デュエマのルールは僕がやっていた頃からかなり進化し、今さら再開しようとは思わないが、どんなゲームであれ、考えて実行するというサイクルを繰り返すことは大いに学びがあると思う。
興味があったらぜひデュエマでもなんでもいいので始めてみてください。
それでは素敵な1日を。
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