アメリカ旅行第2章 ロサンゼルスの光と闇

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ホテルにつくなり時差ボケによる眠気に襲われた僕は、そのままベッドに倒れ込み深い眠りに落ちた。目覚めると22時になっていた。6時間も眠っていた。

おかげで体調も回復し、すっかり元気になった。このままホテルで一晩過ごすのはもったいない。すぐにホテルから飛び出た。

まずは腹ごしらえだ。意外なことに22時以降もやっているお店が少ない。大都会だからどこでも営業しているのかと思ったが、そうではないようだ。仕方なく街を歩くと、ちょうどサブウェイが現れた。

「せっかくアメリカまで来てサブウェイか」と思ったが、日本とアメリカの違いを見たくて入った。一番人気そうなチキンのサンドイッチを注文。かなり大きい。お値段1200円。

味は可もなく不可もなくと言ったところだ。お腹は満たされた。

このとき僕は店内で食べていたのだが、気になることがあった。それは治安の悪さだ。席に座ってサンドイッチを食べていると、突然ホームレスが入ってきて、ドリンクバーの水をカップに注ぎ、そのまま持っていってしまった。しかも一人ではない。その後も3人ほどホームレスが入店し、店内を歩き回ったのちにケチャップをくすねたりして出ていった。様子がおかしい人もいて、何かぶつぶつ囁いていたり、ちょっと怖い空間だった。

他にも体の大きな若者が複数人、酔って大声で歌いながら入ってきたりした。体を鍛えているとはいえ、やはりアメリカの人と比べると自分はひ弱に思えてしまう。万が一絡まれたらどうしようかと冷や冷やしていた。

見慣れない光景に驚きながらサンドイッチを平げ、店を出た。実は行ってみたいルーフトップばーがあった。その名もThe Rooftopという、とあるホテルの屋上にあるバーで、平日にもかかわらずたくさん人がいた。

一杯1200円くらいのビールを頼み、夜景が見える席につく。

そこまで高い場所にあるバーではないが、ロサンゼルスのビル街を眺めることができる。オフィスビルが多く、東京で言えば大手町のようなエリアなのかも知れない。ちなみに受けてる企業のビルがいくつかあったりして面白かった。

バーにはプールもあり、プールサイドの席にはカップルがたくさん座っていた。

卓球台もなぜか置いてあり、自由に使うことができた。ロサンゼルスの夜景をみながら、お酒片手に卓球というのもなかなか乙なものだ。

1時間ほどくつろぎ、バーを後にする。続いて向かったのが地元のスーパーだ。

海外旅行で絶対することの一つに「現地のスーパーに行く」というのがある。スーパーはその地域の暮らしが一番反映されている場所だ。今まで行ったマレーシアでも、台湾でも、スウェーデンでも、デンマークでも、ノルウェーでも、スペインでも、ベトナムでも、タイでもどこでもスーパーに行ってきた。

そしてアメリカのスーパーに初上陸。とにかくサイズが大きい。

ここにあるマフィンやケーキがとにかく大きい。そしてこれでもかとクリームが乗せられていた。僕はアメリカンなクリームが苦手だ。青いクリームがかかっていたり、得体の知れないソースがあったりすると怖くて食べたくなくなる。ここでも一番大丈夫そうなクッキーとスナックだけ手にとった。

閉店間際でレジに長蛇の列ができていた。レジ打ちも一人しかおらず、なかなか進まない。

ここで気になったのが、先ほどのサブウェイと同じくホームレスだ。このとき深夜1時とかなり遅かったのだが、スーパーの入り口に3人ほどホームレスがおり、店内にも3人くらい徘徊していた。何をするわけでもないが、フラフラと店内を歩き回り、何を買うでもなく去っていく。

あとで調べて分かったのだが、ロサンゼルスのホームレスは年々増加の一途をたどっている。僕が泊まっていたホテルの1kmほど先のスキッドロウという地区が代表的なホームレスが集まる場所らしい。

アメリカ政府が発表した統計によると、2019年のホームレスの数は全米で57万人。これは日本の4555人と比べ物にならない多さだ。そしてホームレスが一番多いのがロサンゼルスのあるカリフォルニア州なのだ。

確かに日中も幾度もホームレスを目にした。空港からバスを乗り継いで向かったホテル最寄りの地下鉄は、至る所にホームレスがいた。とてもじゃないが夜は乗れる雰囲気ではない。道を歩いていても、後ろから様子のおかしい人が故意にぶつかってきたりもした。とにかく日本と比べ物にならないくらいホームレスが多い。

原因は多々あるが、一つが家賃の高騰だ。ロサンゼルスでは昨年までの好景気に伴い家賃が急上昇しており、ごく普通のアパートに住むだけでも毎月2000〜2500ドル、日本円にして22〜28万円がかかる。しかし働き手の収入が急に増えるわけではない。結果、高騰する家賃が払えず、家を失い路上をさまよう人が増えているのだ。

ホームレスが多いことは元々知っていたが、自分が今いる市街地にも溢れているとは知らなかった。買い物を終えホテルに戻る道でも何人かすれ違った。それほどまでに、ロサンゼルスのホームレス問題は深刻なのだ。

僕は決してロサンゼルスは危ないと警告したいわけではない。治安が日本より悪いのは事実だが、深夜に一人で出歩かないなど他の国でも守るべき注意事項さえ頭に入れておけば危険ではない。ロサンゼルスは観光スポットに溢れる素敵な街だ。しかし、そんな街にも様々な問題があることだけは忘れないようにしたい。

ロサンゼルスの美しい夜景の光の裏には、家を失った人々の闇も隠されているのだ。

 

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